第9章 △△通告
目の前に、呪霊が……
動けない。瞬きすらできない。
守らなきゃ……!!
「うあ゛あああ!」
ゴロン
「ゆ、うじ。手、が」
悠仁の手がきえた。
悠仁は私と恵に指示をした。恵に釘崎と私をつれて逃げろと。
俺が時間稼ぎをする。と
「駄目だ!」
「伏黒!!頼む。」
「私は……ここで悠仁と時間を稼ぐ。大丈夫。私も最強だから!」
なんて、調子こいたこと言った。
悠仁の中の宿儺も、グチャグチャ言っていたが頭が回らなかった
悠仁は逃げろといったが、私は残って時間を稼ぐことに。
恵は野薔薇を助けに行った。
ビリ
呪霊が着ていた服のようなものを破った
「動きやすくなりました。ってか?」
「女の子の前で服破くなんてバカみたい。」
そんなこと言ってる暇はなかった。
バスン
「悠仁!!!」
「あ、が……」
ありったけの呪力を込めて目を瞑った。
「門前雀羅・零!!!」
呪霊は私の呪力で縛られた。でも、それでもアイツにとってはかすり傷
呪霊は笑って悠仁に向かって呪力を吐いた
「………」
悠仁は気絶……どうしよう。
呪霊はこっちに向かって歩いてきた。
「こんどはこっちって?」
術式の影響で目が……頭がガンガンする。
視界が真っ赤な世界で覆われた
でも、悠仁を死なせないためなら、いいよね。
今の私でどれだけ喰らわせられるか分からない。
ものは試しだ
「門前雀羅・哀」
私が持つなかで1番強力な技だと思う。
悠仁はもう戦えない。指がなくなって、出血が酷い
呪霊は赤く蛍光に光る紐に全身を隠された
少しの時間なら………これで
「ああああああああぁぁぁ!!」
体に激痛が走る。
「カハッ……ごほっごほっ」
力が抜けて四つん這いになった。
地面には私の口から出た血。
肺が………息ができない。
『キャッハハハ』
あの呪霊。もう抜けたの?
自分の弱さに浸ってしまう。
ブホォン
「っ……!」
私は呪霊の呪力に当てられた。お腹が焼けたみたいに、体の表が一気に削がれたみたいな感覚がした。