第6章 ※※いざ高専へ!
「この家………見たことない。」
五条さんが不思議そうにこちらを見てくる。
私が小さいとき、叔母の家に遊びに行っていたが、ここじゃない。
京都は京都だったが、周りに花が沢山あった。家は丸みを帯びたような形だった。
でもここは違う。館、という感じで、辺りには松の木が植えられていた。しっかり手入れもされている。
名前のところには如月ではなく、
縫条(ぬじょう)
と書かれていた。
「来たことないの?」
「あるんですけど…ここじゃないです。この名前も見た事ない。」
ふぅむ……と五条さんは考え込んでいた。
すると1人の巫女さんのような女性が襖から出てきた
「如月 結花様と五条様でしょうか?」
「君は?」
五条さんが問うと女性は申し遅れました。と頭を下げて続けた。
「私はこの家に修行の身としてお供させて頂いております。三神。と申します。以後お見知りおきを。」
女性は一切顔色を変えずに、さあどうぞ。と館の中に案内してくれた。
しばらく長い廊下を歩いていると、一際目立つ豪華な和室に辿り着いた。
そこには私の叔母がいた。
あの時と変わらない叔母の姿が。お茶を飲みながらこちらににこにこと笑って来てくれた。なぜ変わっていないのだろう。
「叔母……ちゃん。久しぶりだね」
「結花、ずっと1人にしてごめんね。よく生きていてくれたよ。叔母ちゃんはまた結花に会えて嬉しいよ。」
私の頭を撫でてくれた叔母ちゃんの手からは温もりを感じなかった
なんで?暖かくない。体温がないと言った方が良いのだろうか。
何故だろう。怖い
その瞬間、五条さんがサングラスを外し、逃げるぞ。
と言って私を抱っこした。お姫様抱っこ。
「え、ちょ、五条さん!?あの………」
「あれはお前の叔母ちゃんじゃない!!」
わけがわからない。どういうこと?
後ろから三神という人が追ってきた。さっきとは違って目に光がない。真っ黒の暗闇の色の瞳
「五条さん………三神さんが……」
「分かってる!!!大丈夫。僕がいるから。」