第5章 ※※初祓い
伏黒目線
やっと祓えたか。俺は特に傷をおっていないが、呪力の消費がとてつもなく、もう倒れそうだった。
あの子供は取り憑かれて居たものがひゅっ、と抜けたように、眠ってしまった。
俺がその子を持ち上げようとすると、
「ウア゙ア゙ア゙ア゙ア゙……!!」
如月が言葉にならないような悲鳴を上げた。
如月の瞳はいつも、夕日のような薄みがかった赤色だったが、
今は真紅の色をしていた。そこから赤い涙が1滴。
如月は横たわり、蹲っていた。
「おい!如月しっかりしろ!大丈夫か?!」
如月はずっと身体を地面に擦り付けて、痛みを逃がそうとしていた。
「うっ、、、恵……君。ごめん。ごめんなさい。もう…大丈夫。子供達の、安否確認して、家入さんに届けよ?」
如月は目を抑え、震えた声でそう言った。
「謝るな。俺が頭を下げたいくらいだ。お前に歩かせる訳にはいかない。おぶってやるから乗ってくれ。頼む。あの小学生達は無事だ。さっきの呪霊付けてたやつも。だから……」
「恵君。ありがと…………」
如月は目を抑えながら俺の背中に乗った。
如月はすごく軽くて、不安になった。ちゃんと飯を食べていたのだろうか。とか。
そんな事を考えていると、嫌な気配が背中からしてきた。
如月の呪力が初めて会ったあの時よりも増えていったから。
「恵君………降ろしてお願い。あの子達つれてこの学校から出て、」