第5章 ※※初祓い
後ろを振り返ると階段が消えていた。
「恵君。さっきそこの階段登った…よね?」
「あぁ。登ったな。多分ここにいる呪霊は3級なんかじゃない。1級かそれ以上。」
「とりあえず2手に別れて様子を見よう。玉犬」
そう恵君が言うと、白と黒のわんこが出てきた。
めっちゃ可愛い
「1匹をお前に付けておく。何かあったら玉犬が知らせてくれるはずだ。」
「えへへほんと?ありがとう恵君。可愛いなぁ」
私がわんこに見蕩れていると、恵君の痛い視線が刺さった。
「んんっ!じゃあ私は3階を見て回るよ。確か3年の教室って3階だよね」
「そうだな。俺は2階をもう少し見て回る。まだ呪霊の気配もあるからな。」
それじゃあ、と私達は違う方向へと歩み始めた。
伏黒目線
如月と別れて、妙に周りが静かになった気がする。
さっきまで居たはずの呪霊も3階に移動しようとしている。
上の階へ上がるべきだろうか………
いやまだ、祓わ無ければならない呪霊もこの階にはいる。
俺は歩いて呪霊の気配がする教室の前に立った。
ドアを開けるとそこには3人の生徒が呪霊に食われかけていた。
「キャヒヒグニミシヒヒッッ」
「玉犬。食っていいぞ。」
全員女子か。みんな気絶している。
その中の一人だけまだ意識があったようだ。
「もう大丈夫だ。安心してくれ。」
「だめ!安心なんてできない!………し…しゅうと君が!……うっ……うぅ、まだ…上にゆう君といるの……うぅ」
しゅうと?ゆう?もう2人。居たな。
玉犬は目の前の呪霊を食い祓った。大した事はなかった。
「分かった。全員必ず助ける。だからここにそっと居てくれ。」
女の子はうん。と頷いた。
だが、その生徒達には呪いが移っていた。
幸いまだ時間は経っていないため、全員を救助してからでも間に合うだろう。
「ワン!ガルル」
玉犬がうなり出した。何かと会ったようだ
この階に呪霊の気配はもうない。
如月を早く追う事にした。