第3章 2.崩壊
結花目線
そんな迷ってる暇ないな。早く行動に移さなければ。
考えてる間にも咲から出る出血量が増えてきている。
決意は決めた。もうこの世に思い残す事もない。
あ、でも2つあるなぁ。咲に元気に過ごして欲しいなあ
叔母ちゃんは元気かなぁ。あれから、あの事件から会ってないな
咲、叔母ちゃんばいばい。幸せな日々を過ごしてね
久しぶりに涙が出た またあの時と同じ。だが、今度はしっかりした赤色の雫だった。
「術式 門前雀羅」
そう言った途端目の前の怪物は白く輝く網に包まれ、
目は焼ける程に痛かった。
怪物は、私にあの黄緑の腕を伸ばし首を掴んできた。
自分が死ぬなら道連れと言う事だろうな。心底呆れてしまう。
私たちが、死の間際に居る時でも世界は変わらず廻っている。
腹立たしいな。ムカつく。
「ヴェ、、おぇっ、、」
とうとう吐血まで来たか。私の体。良く頑張った。良く咲を守った。しかし苦しいな。
「あーぁ、、、こんな形、、で死ぬとは」
にやけて来てしまった。
「お前も、、潔く死ねよ?」
私は日本語を話さない、うめき声しか上げない怪物に向かって言った
「君は死なせないよ。最強の僕がいる限りね」
五条目線
はあー、やっと見つけた。あそこだな?
どっちも死にかけとかヤバ。急がないとな。
「術式 門前雀羅」
術式を使ったのか。あの術式、、聞いたことがない。きっと御三家とは、、、全く別の家柄のものだな