第13章 兄弟
八十八橋について、しばらく粘っていたが、呪霊が出てこない。
「呪霊の呪の字も出ないじゃない」
「ほんとにねー……」ギュルル
「結花の腹の音か?」
「……コンビニ行くか」
「はーーー!!恥ずかしい!」
そしてコンビニに向い、新田さんに状況報告をした。
するとさっきのヤンキーがチャリで後ろに女の子を乗せていた
「伏黒さーーん!」
「藤沼?」
女の子は中二のとき、この橋に来ていたという。
何かいる感じがしたり、怪奇現象が起こっていたみたい。
怖がってるな
新田さんは察したのか、大学のレポートという嘘をついていた
藤沼さんはそれを聞いてホッとしていたみたい。
「っ、そうだ伏黒君、あの時津美紀さんも一緒にいたよ」
つみきさんが……頭がピリピリして痛い、、倒れそう。
多分あの夢通りだと津美紀さんは寝たきり状態
なんとかこの子達がいる間だけは……
「そうか。じゃあ津美紀にも聞いてみるわ」
そう言ってヤンキー達は去っていった。
私より恵の方が辛いはずなのに。津美紀さんの横にいる和服の男が話しかけてくるみたいで頭が割れそう。
恵は大丈夫かな
「伏黒!伏黒!!まずは安否確認だろ!?」
やっぱり恵もだめか。
冷や汗が止まらない。ずっと直接囁いてくる。
今周りなんて全然見れない。俯くことしか……
和服の男の周りには沢山の手があって人が居て、みんな手を私に伸ばしてこう言ってくる
『お前もこっち側だろ?』って。しつこくずっとずっとずっと
「うるさい!!!黙れ!!」
「結花……?」
名前を呼ばれた瞬間我に返った。うっかり口に出てしまった。
ごめん。違う。みんなに言ったんじゃない。
「悪ィ。少し外す」
そう恵は残し、少し離れた所で電話をしていた。
「ごめん。野薔薇、少し寄りかかっていい?」
「…全然いいわよ。でも結花大丈夫?凄い辛そうに見える」
前を向けない。眩しすぎて、目を覚ましたばかりの朝みたいに
「ありがと。大分楽になった」
「なんかあったら頼れよ?ちょっと伏黒のところいこーぜ。」
そして恵のところに行くと、伊地知さんと話していた。