第3章 2.崩壊
私は必死になってあの''怪物''の気配とは逆に向かって走った。
「咲!ついてきて!」
私は咲の腕を強く引っ張り走った。
「ねぇ結花……な、何が起こってる、の?……ひっ!」
「私にも分からな………咲?ねぇ、どこに行ったの、」
しまった、私が後ろを向かず無我夢中で自分勝手に走ってしまった。
咲を探さなければ…!!咲が居た後には黒ずんだ跡が残っていた。その中に吸い込まれてしまったのだろうか、、
迷っている暇はない。あの中に私も入ろう。
そう足を伸ばしたとき、ねちょっとした黄緑の腕に掴まれ、私は黒ずみの中に落ちてしまった。
「んっ、、、」
吸い込まれる瞬間に私は目を瞑った。ケツが痛い。しりもちついた。ここはあの中だろうか。
目の前には十字架にかけられ、口と耳から血を流している咲の姿があった。
外傷はないようだが、安否確認が取れない、私が先走ったせいで、、
「うあ゛、、咲……ねぇ、、ねぇ!!
いや、やだやだ、、」
咲の横には「キヒェ!!!キキッ」と笑っているあの怪物の姿があった。アイツのせいで、、、いや。私のせいでもあるな。
「お前が、お前が咲を傷つけたんだよな……なぁぁ!」
許さない