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Black・Rose

第2章 Destroy the castle of lust


「見つけた…」
「何か言ったか?」
「いえ」

この人が、恐らく私が破滅させなければならないトリックスター。見ればわかる、と言っていたのはどうやら正しかった様だ。

「貴方は…」

黒髪の青年が口を開いた。隣の金髪の青年は驚いた様にこちらを見ている。

「私は小鳥遊 天音と申します」
「昨日の…キンパツとくせっ毛か」

なんとも変な組み合わせ。ここにいる全員がみんな初めて会う人なのに、あまりそんな気がしないのは何故なのか。

「あら、お知り合いなんですか?」
「昨日色々あってな」
「貴方はどうしてここへ?」
「ここに、用事があって」

嘘はついていない。まさか貴方と出会うためだとは口が裂けても言えないし。

「まぁいいや、今日は俺たちもここに来なきゃならなかったんだよ」
「バレー部の事について調べるために」
「そういう事か。まぁ…仕方ない。心当たりがあるからワガハイが案内してやる」

何やら事情がありそうな様子。私もここまで来ては引き下がれない。

「私も行きましょう。一応ペルソナも使えます」
「お前も⁉︎」
「ええ。力になりましょう」

なんとかなる筈だ。アフロディーテというもう1人の私がいる事は分かっている。きっと私に応えてくれるはず。

「まぁ行くか。道案内頼むわ」
「はぁ…行くぞ。付いてこい」

めのまえの猫もどきについて行くことになった。なんか不安だけどいいのかな…特に金髪の人とか1番危なっかしいかがするし。

「取り敢えずセーフルームだ。一旦休んでからお目当ての場所に行くぞ」
「分かりました」

背景が歪んで若干教官室のようなものが見える。バレーがどうこう言ってたし、体育教官室と捉えるのが無難だろう。

「そういやえーと…」
「天音で結構ですよ」
「じゃあ天音、怪盗服?になってねえけど…」
「理由は…分かりません。しかしペルソナは使える筈なのです。まぁ、何かきっかけが有れば発芽するだろう…とは踏んでいます。足手纏いにはならないので」
「いや、別に俺もそういうの使えないから良いけどよ」

まぁ私達は今の所2人揃ってお荷物な訳だ。ヘマはやらかさないようにしたい所。

「そろそろ行くか。今だとシャドウの動きがあまりなさそうだ」
「そうですね、行きましょう」

椅子から立ち上がり、セーフルームの扉を開けた。暫く進むと『鴨志田愛の修練場』が見えてくる。
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