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あなたが愛してくれたら【R18】

第10章 4月26日 社内


「うん。 昼に色々と書いたけど、要は合意行動に時間取られる書き方しちゃ駄目」

「そんなつもり無いですけど」

「私もそうだと思う。 けど、そう取る人もいる。 例えばここ。 デメリットに関しての積極的な主張が足りてない」

「それ書いたら、更にデメリット増えるんで」

「書く前に、明確に範囲を決めなきゃ。 それは個人の考えとは切り離して。 主題に沿う客観的な枠を最初に作るの」

「……俺の考えじゃなく?」

「論理的な意味での範囲だよ。 勿論高階くんの」

「なるほど。 でも、窮屈な作業だな」

「クリエイティブな仕事だと思えばいい」

「創造というか、想像力ってとこか」

「アンビバレントな作業って楽しくない?」

「確かに」


小夜子がにっと微笑む。

やはり彼女はいい。
男性的でもあり女性的でもあり。

金子も俯瞰的な物の見方をするが、小夜子程じゃない。

だけどどこか彼女の様子がおかしいのを、最初見た時から感じていた。



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