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あなたが愛してくれたら【R18】

第10章 4月26日 社内


18時も半分を過ぎた頃、早足に彼女がやってきた。
もう疎らになった課のフロア。
薄手のブラウスにストールを羽織り、遅くなってごめん、と開口一番小夜子が謝る。

怜治はそんな彼女をじっと見ていた。


「……どうかした?」

「いえ」


訝しげな表情をして小夜子が隣の空いたデスクから椅子を拝借し、怜治の横に運んできた。

何人か通り掛かる男性社員がこちらを盗み見る。

まあ、こんなの歩いてたら見るわな、普通。

近寄り難いタイプの美人。
家系なのか、そういや小夜子のあの叔父も大概だった。


「聞いてる?」

「はい」



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