第32章 6月11日 湊のマンション
はしたなく腰を揺らし、とうとう強請ってくる小夜子に怜治の方も我慢が出来なくなってきた。
「また、こないだみたいに突くかも」
一度いかせてから、なんて思ってたけどこっちに余裕が無い。
「いい。 して。 もう、私」
小夜子の言葉が途切れ、何の言葉も動作の準備もない、突然の侵入に、声にならない悲鳴が漏れる。
回す様に、小夜子を満たしていく。
そこに届くか届かないかの内に、まだ拡がり切っていない内部がとどろき早々に怜治を締め付けた。
「怜、ダメ私、いく、も…う、……っ」
怜治が一瞬躊躇うが、小夜子の腰を抑え、うち震えて下の方に下りてきている最奥を貫いた。
「ッやぁ、いっ……いっちゃ、ひあ、ぁあっ!」
開いていない狭い内部に加え、絶頂が止まらなく収縮を繰り返す小夜子の中で、動き続けるのはきつかった。
自分のがちぎれそうに締められる。
「怜……あ、止め…もう、感じ…過ぎて、やなの…」
それに抗い、少しでも小夜子の快楽を長引かせる為に彼女を揺らす。
「何で嫌? 俺は嬉しい」
「…こんな……怜治なの、に。 あ、ぁあ…嫌……いやらしくて、嫌なの、に……何で」
吐息の合間に小夜子が最後の抵抗をする。
「小夜はいやらしいよ。 少し触っただけでヒクついて、入れただけでいって。 凄くエロい体してる。 本当は目隠しされただけで濡れてたんだろ?」
動きながら、彼女の耳元で言い聞かせると小夜子が消え入りそうな声を出す。
「怜治………許して、嫌いに……ならないで」
……こいつ。
真面目に言ってんのか、煽ってんのか。
自分でそう気付く位に顔が熱くなってるのが分かった。
無理だもう、可愛過ぎて。
「なるかよ。 こんなやらしい体、もう他の男に触らせんな」
逆にイライラした口調になってしまった。