第32章 6月11日 湊のマンション
「キリがない……舌入れていい?」
小夜子にそれを聞く。
「う…ん……」
そして、そうする。
先週あんなに怜治が開かせた彼女の膣口はまた固く閉じてしまっていたので、尖らせた舌を内部に入れる。
一旦入れて、解す様に周囲を拡げて舌先でくすぐる。
「ッあぁ、あ…」
「吸っていい?」
動作を一つ一つ確認して、小夜子を溶かしていく。
後から後から湧く泉は自分にとって媚薬の様だ、と怜治は思う。
これ程ではないが、自分も大概濡れている。
突起にそっと舌で触れさせると小夜子の腰が浮く。
「触れてもないのに硬くして。 こんなん、すぐにイきそうだな」
また煽るが、今回はもう小夜子に余裕が無さそうだった。
二度程周りを焦らす様に舌先でなぞる。
「ぁ、やっ……そこ」
「小夜、どうして欲しい?」
「ん……ふぁ」
指先を伸ばし、中の曲線に沿って埋めていく。
前回と違い、今回は最初から二本の指で。
閉じた内部に溢れる愛液でそれらを収め、指先と関節で解していく。
「……まだそれ、外して欲しい? そしたら止めたげるけど」
「っやだ………ぁ、あ」
「嫌ばっかり言ってたら止めるよ」
「……………」
「小夜」
返事を急かす様に若干荒っぽく指を動かすと、小夜子の声が高くなる。
それを止めずに、時折肉芽をつつくように指先で可愛がってやる。
「して……怜治の、入れて」
そう懇願されるとどうしようも無く自分が滾るのを感じる。
小夜子には言ってないが、それを相手に言わせるのは自分の性癖でもある。
「そんなに気持ちいい?」
「ん、ん。 ……お願い」
く、と小さく尖ったクリトリスを軽く押し上げるとまた一際激しい反応を返してきた。