第32章 6月11日 湊のマンション
履いていたショートパンツを下着ごと脚から抜き取る時に、小夜子がまた抵抗を見せた。
閉じようとする片膝を抑える。
「濡れてんの、もう分かってるし」
「……れて、無い。 お願い、恥ずかし……」
「確かに、こんなビショビショじゃ恥ずかしいかな」
「…………怜…やだ、見ちゃ、ダメ」
「見てるよ。 下着まで漏らしたみたいなの」
「っや」
がちゃ、と手首の金具の音が鳴った。
これじゃもっと小夜子が頑なになるかとも思いつつ、つい煽ってしまう。
小学生男子みたいな自分の心理に蓋をして、これは小夜子が可愛過ぎるからだと怜治は自分に言い聞かせた。
「小夜。 足開いて」
「外してくんなきゃ、やだ」
小夜子がふい、と顔を背ける。
やっぱり意固地になってしまった。
彼女を、見たい。
先ほど片足を避けた時にちらりと見えたが、恥骨の下のふっくらとした全体が濡れて光っていた。
またそこに舌を入れて探りたい。