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あなたが愛してくれたら【R18】

第32章 6月11日 湊のマンション


怜治が小夜子を抱き上げ、あやす様に額に口付ける。
もう抱きたくて仕様がない。


「そんな可愛い反応されると困る……寝室、こっち?」


こくりと頷いた小夜子が首元にぎゅっと腕を回してきた。
たまにうっかりと素をさらけ出してしまう所。
ホント、こういう時の彼女って可愛過ぎるんだよな。
苦笑しつつ怜治が歩を進め、グリーンとベージュで統一された、落ち着いた雰囲気の寝室を見回す。


「ベッド、割と広いな」


ここで、何人かの男に抱かれたんだろうか?

あんなに蕩け切って喘ぐ小夜子の顔を他の男も知ってるんだろうか。

すぐにそんな想像をしてしまう自分が嫌だった。
自分は嫉妬深いらしい。
それは初めての恋人だからか?
それとも小夜子だからか。


「怜治?」


黙っている怜治を見上げてくる小夜子をベッドに横たえ、着ていたシャツを脱ぐ。
履いてるジーンズがさっきからキツかった。

ベルトを取り去り、ファスナーを外すと少しマシになった。
手伝おうとしたのか、小夜子が怜治に手を伸ばしてきた。
そんな事をするな、とつい声に出しそうになった。
細い手首を掴み彼女の脇に手をつく。


『怜治に触られると、体…変』


「こっちだって変になる」

「怜治……? あ」

「痛くしない」

「ちょっ……駄目」


頭の上で束ねた小夜子の手首にベルトを巻いて、中央でもう一度一回転させて金具を通す。


「やだっ」


柔らかい皮だから、暴れなきゃ跡は付かないだろう。
椅子に掛かっているスカーフみたいな布が目に入り、軽く体重を掛け、動き辛そうな小夜子の目を覆う。

小夜子が止めて等と言っていたが、無視をした。
ただ、怯えて怖がる彼女の瞳だけは見たくなかったからだ。




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