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あなたが愛してくれたら【R18】

第31章 6月11日 達郎の店


彼にとっての等価。
私の思っている等価とは少し違う。

けれど、得難いものだという認識は同じ。
それは随分と長い間、私が求めていた宝石の様なものだ。


ふと、達郎との先ほどの会話が脳裏に浮かんだ。

『 彼に甘えてごらん 』

……甘えるって、どうするんだろう?

性差抜きにするんなら、仕事を手伝ってもらうとか?
愚痴を聞いてもらうとか。

違う様な気がする。
そもそも愚痴なんて無いし。

達っちゃんに今度、具体的に聞いてみよう。


「小夜、どうかした?」

「んん、あ、あの」


よく分からない。
分からないけど。


「今晩は、少しだけ……甘えてもいい?」


ぎこちなくそう言うと、怜治が目を見開いた。


「具合でも悪い?」

「……………」


達っちゃんの、嘘つき。


小夜子が再び真っ赤になって俯き、怜治のくぐもった笑い声が耳に届いた。


「そんなに笑う事………」

「悪い。 発言が、小夜らしくなくって、驚いた」


だよね。
そこは100パーセント同意する。


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