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あなたが愛してくれたら【R18】

第31章 6月11日 達郎の店



「あら、今日は髪上げてるんだ。 髪留めが綺麗。 彼氏からのプレゼント?」

「は……はい」


彼氏。
慣れないその響きについ赤くなった。


「いいね。 あの子、怜治くんだっけ? 随分若いけど、会食の時もずっと小夜ちゃんの事を気にかけてたよね」

「そうなんですか?」

「いつもそうだけど」


達郎が小夜子の目の前にカンパリにレモンを搾ったソーダ割りを置いた。


「気付いてなかったの? 最初から、小夜ちゃんの様子や周りに気を使って、オーダーは小夜ちゃんに合わせて、さり気なくグラスの位置変えたげたり、色々」

「………………」


気付かなかった。


「こっからだと、色んなカップル見れて面白い」


昼と夜の境目。
お酒を口にするとそんなものを感じる。


「不倫組とか?」

「バレバレだよねえ、あの笑ってても退廃的な雰囲気って」


「……あの、達ちゃん」

「何?」


いつも優しく見守ってくれた彼の瞳。
今更、とは思ったが、きちんと言っておきたかった。



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