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あなたが愛してくれたら【R18】

第30章 6月11日 社内屋外


その後も、他部署に顔を出しては作業を手伝い、職員の話に耳を傾けた。

屋外の灯りが灯り始め、常設のイルミネーションが広場を飾る。



「金子くん、こんな時間まで大丈夫なの?」

「湊」

「お子さんの事とか」


焼き鳥の串を手に持って、ぼんやりしている様子の金子が階段に腰を掛けていた。
ウーロン茶のカップを片手に、小夜子が金子の隣にしゃがんだ。


「うちのは今月一杯里帰りだからさ。 その前よりはむしろ楽」

「楽って、ね……」


奥さんが大変な思いしてるってのに、呑気な。


「な、なんだよ。 分かってるよ。 怖い顔すんなよ。 束の間の息抜きって意味だよ」

「……なら、いいけど。 楽しみだね」

「うーん。 楽しみな様な、怖い様な」

「そうなの?」

「変化って、そんなもんだろ。 なんだって」

「確かに」


小夜子がこくんとお茶を一口口にする。
時間が早いのもあるが、この後のスケジュールを考えると今酔いたい気分ではない。


「考えてたのはそうじゃなくって、高階」

「彼がどうかした?」



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