第27章 6月6日 ホテル
直ぐにでも入れたいけど、まだ。
入り口の辺り、から真ん中らへんを丁寧に愛撫する。
軽く指で叩いたり、指先の関節を軽く曲げてやると、いちいち小夜子の腰が動く。
小夜子の口から吐息が切なそうに漏れ出て、また夢中になりかけた。
女のここって不思議だ。
人によって同じ様で微妙に違う。
あんなに拡がるのにあんなに敏感で。
紀佳はどちらかというと激しくされるのが好きだったと思う。
小夜子はそうじゃないらしい。
彼女のこれは……もしかして他の男のならそうされても悦ぶのか。
「……何考えてんだ」
「え……私?」
「いや……」
どうも自分はさっきからおかしい。
自分に跨る様に誘導すると、彼女が素直にこちらの腰を挟んで膝をついた。
調整する為に手を使うでもなく、先端で入り口を遊ばせる様に探っていると、小夜子の体がびくんと分かりやすく反応した。
愛液を塗り広げるみたいにして、小粒な突起をぬるぬると擦る。
「あぁっ……」
「腰、動いてる」
「だっ……て」
「だって、何」
「ぁあッあ!」
位置を後ろにずらし、彼女の内側へ穿っていく。
小夜子が慌てた様にこちらの首元にしがみついてきた。
「こら、まだ」
「もう少し……や、優しく…」
今度はまた泣きそうな声。
こんな小夜子に理性がすっかり飛んでしまうことってこの先あるのだろうか?
どうしても愛しいとか、そんなのが先立って。