第27章 6月6日 ホテル
「………あ、だめ」
上体を起こして手を滑り込ませるとぬる、とした感触が指にまとわりついた。
「舐めてて濡れんの」
「え………変?」
「お陰でまたしたくなった」
煽ったのはそっちだし。
胡座をかいて向かい合わせの小夜子の体に腕を回す。
多分160ちょい位。
背丈の割に腰も小さく華奢な体だと思う。
膝立ちになっている小夜子の胸元から腹へと、丁寧に口付けてく。
いつこんな事をしたのか覚えがなかったが、二箇所ほど肌に紅色の跡が残っていた。
ベッドサイドの明かりだけを点けた彼女のその部分は薄く陰影を描き、僅かに割れた皮膚が透けて見えるのにいやに興奮した。
念の為指先を潜り込ませてみると、難なくそれを飲み込んだ。
どうやら、まだ先ほどからそんなに時間は経ってないらしい。