第24章 6月6日 レストランの庭、ホテル
固く閉じていた小夜子の体が女になっていく。
怜治はこれが最初に抱いた体と同じだとは思えなかった。
こんなに柔らかで、熱くて、触れる度に滴っていく。
それに夢中になり、彼女の全てを味わいたくなる。
双肉の間にある彼女の唇を軽く吸い、その上にあるささやかな肉芽に口付ける。
一層細く高くなる声に脳が痺れて、薄膜を捲りあげるとまた溢れてきているのに気付き、惹かれる様に再び湧き出る泉を舐め上げる。
時間がいくらあっても足りない、小夜子の体を抱きながらそう思う。
その間も内腿にキスの跡を付け、滑らかな流線を描くふくらはぎを柔らかく指でなぞる。
貝がらみたいな爪の先を摘んで、丸い膝を手で包む。
「もう、来て……」
そんな泣きそうな声を出されても困る。
そうするとこの時間が終わってしまう様な気がして、もう少し、そう言って小夜子を愛し続けた。
実際彼女の中で長く留まっていられる自信が無かった。