第24章 6月6日 レストランの庭、ホテル
小夜子が自分の指を受け入れ、それらでじっくりとそこを慣らした。
二本の指を狭めるとぷちゅ、と音がして隙間から新たな愛液が押し出される。
彼女の体はちっとも枯れない。
最初の時みたいに温感ナントカとか、あんなもの色々使う必要なんて無かった。
ちゃんとこうしてやればいいだけだった。
関節を曲げる度に内部が絡み付いてきて、もう抵抗が無くなりかけ、動きが滑らかになるまでそうし続けた。
充血してすっかり赤く染まってしまった唇がひくひくと震えている。
「気持ちいい?」
無理に広げたりした覚えは無かったが、そんなものを見ると自分が何か悪い事でもした様な気になった。
「だ、め。 ……来て」
怜治の問いに答えずに小夜子が両方の腕を伸ばす。
レースのカーテンで仕切られた大きな窓ガラスは、柔らかな陽の光を包み、小夜子の躰を余すこと無く照らし続けた。
小夜子の顔の両脇に肘をつくと、彼女の指先が怜治の腕から肩に滑る。
熱っぽい口付けを何度も交わす。
舌先で唇を軽くノックし、それに応えて伸ばされた舌にそれを絡める。
怜治が薄目を開けると、長い睫毛を軽く伏せ元々整った小夜子の顔は潤んで艶めかしく、少しの間そんな彼女に見蕩れた。
深いキスさえ、そういえば初めてだった。
「なに……?」
こんな気持ちいいもの色々すっとばして、自分は何をやってたんだろうな。
苦笑する怜治を小夜子は不思議そうに見詰めた。
記憶通り、やや小さ目で形のいい胸が目に入る。
そこもまだ充分に可愛がっていなかった事に気付き、後からにしようと心に決めてから、せめて手のひらで包み込む。
ふっくらと吸い付いてくる柔らかな肌の感触で、怜治の下半身に血流が集中した。
小夜子が自分をその箇所に導き、積極的なのにやや驚きながらも腰を沈ませていく。
その癖に処女みたいに彼女は固く目を閉じていた。