第21章 6月1日 高階家、社内
ぼちぼち不動産屋でも通って物色し始めるか。
既にネット等で調べてはいたが、南口はやはり家賃が高い。
元々の物件の数も少ないせいだ。
となると、やはり小夜子の住んでいる北口がターゲットになる。
電車通勤も考えたが、当面の実家の事や通勤の利便性も考慮すると、やはり今の駅がベストだと思った。
小夜子から余り近過ぎても不自然だし、夜は暗いが値段も手頃で、彼女のマンションから歩いて20分位の地域に目星をつけていた。
あそこなら会社にも徒歩圏内だし、もし家や小夜子に何かあっても駆け付けられる。
65パーセント。
根拠は不明だが、微妙な数字だと思う。
小夜子にマッサージしてた時に、相変わらず彼女から以前と同じくあの花の香りがしたのに気付いた。
単に好みで付けてるだけなのかもしれない、そう願いつつ、付き合おうとも言ってみたが、返って来たのは予想通りのリアクション。
とはいえ、だ。
今まで関わった彼女とのこれまで。
何も無ければそんなもの、勿論1パーセントも脈は無かった訳で。
ノーとも言われてない。
考えようによっちゃいい数字だ。
もしこれが降水確率なら、自分なら傘持ってくし。