第2章 4月5日 高階家
「ン…怜…ふッ……ん」
小柄な割に豊満に丸い両の胸がふるん、と規則的に揺れる。
そのせいで、唇で桃色の乳首を捕まえ損ね、いっそそれごと全て口に含ませると、紀佳の指が彼の髪の間を細い指で包み、掻き抱く。
「凄……ッぁ、ぐ…っ」
自らの手を噛んだ唇から小さな歯が覗いている。
階下で休んでいる父親に気付かれぬ様、いつも彼女は密やかに鳴く。
最後は気を失ったあの女を最中に思い切り乱したいと思ったのはなぜだろう?
わざわざあんなやり方で我を通す、自分はそんな人間だったか?
力の抜け切った女の体を抱き留めてベッドの脇に寝かせた時に、何だか妙な違和感を感じて濡れた涙の張り付いた頬を舌で撫でた。