第2章 4月5日 高階家
両脚が、怜治の腰にきつく絡まる。
きゅん、きゅ、と催促をするかの様に強請る紀佳の中。
あの女の中はこれよりも窮屈で複雑だったような気がする。
『怜治くん。 女って、花みたいなもの』
そんなことを昔紀佳が言ってた。
急いて吐き出したくなる精を堪え、更に蜜を掻き出す為にわざと角度をずらす。
こうやってやると、紀佳は切なげに小さく呻きしがみついてくる。
確かにな。つい声に出してしまった怜治を紀佳が薄目を開けて見詰めてくる。
そういや、もうじきに桜も散る頃だ。
そんな思考も隅に追いやられ、怜治は紀佳に沈み、溺れていく。