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あなたが愛してくれたら【R18】

第19章 5月21日 高階家



「…………」

「ごめん。 ツボった、小夜なのに」

「どういう意味」


まだ彼の肩が震えて俯いている。
その合間に彼がふざけて言う。


「でもちょっと忘れかけ。 触っていい?」

「ダメです」


そんな調子でまた笑われたら立ち直れない。
段々と治まってきた怜治が、首を傾げて記憶を辿るみたいな目をした。


「胸、綺麗だった覚えある。 先っぽとか上向いて」

「もういい……」


私だってそんなのよく覚えてないし。
今度はいたたまれない気分になった。


「下から掬うと全部一緒に揺れて、可愛くて凄え色っぽい 」

「いいってば」

「いや、ホント。 けど、 そんな風にちゃんと嫌がってくれるなら助かる。 俺は小夜に時々我慢出来ないみたいだから」

「………………」

「無理強いなんかもうしたくないし、それに」

「それに?」

「小夜が逃げそうで怖い」

「逃げ……?」

「まだ愛情なんかないって、思う?」

「………………」

「前も言ったけど、押し付けるつもりは無いし、無理だから。 だから受け入れてくるまで待つ。 錯覚かも、だなんて小夜が思わなくなるまで。 それがこっちの意思決定」


控え目に聞こえても、それは彼の強い自己主張だった。
そんな日なんて来ないかもよ、なんて軽口など言える隙もない。


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