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あなたが愛してくれたら【R18】

第16章 5月15日 病院



「はい、ありがとうございました」


怜治がぺこりとお辞儀をし、ちら、とカーテンを開いて紀佳の様子を確認してから、小夜子を促し診察室を後にする。


待合室から程近い、廊下の黒いソファに腰を沈めた怜治が頭を下げて疲れた、というふうに深いため息をついた。


「良かった………」

「良かった……ね」


そこは合わせておいた。

その声で彼が小夜子を見上げ、手首をとって自分の隣へと促した。


「ごめん、誤解させて」

「……いいけど、あのあれ、もしかして後妻さん?」

「うん、俺の継母。 ああ見えても27」

「はあ」


世の中で言う年の差婚というやつか。
初めて見たけど。


「今日家出る前にいきなり倒れてさ、焦っちまった」

「仕方ないよ」


男性なんだし。

ああ、そういえば。
だから引越しとかいう話になったとか?

若い女性じゃ色々気を使うに違いない。



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