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あなたが愛してくれたら【R18】

第16章 5月15日 病院


それは割と大きな病院だったが、事情を話したタクシーの運転手が、外来の受付ではなく救急専用の窓口を訪ねるといい、と教えてくれた。

出入口に着けてくれた車を降り、小夜子が受付の女性の方へと向かう。


「あの、急患で運ばれたって聞いたんですけど」

「お名前は?」

「高階です。 高階怜」

「……ああ、先ほどの。 産婦人科ですね」


「……………は?」


訳が分からなかった。

だが、言われた通りに産婦人科に向かうと待合室の廊下に立っていた。

およそその場所にそぐわない怜治が。


「へ? 湊さん?」

「ええと……」


どういう顔をしていいか分からなかった。
微妙な表情の小夜子に怜治もまた微妙な反応を返す。


「………何でここに?」

「だって、救急車でここに運ばれたって」

「そりゃ……あ、俺の事って? 悪い」



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