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あなたが愛してくれたら【R18】

第15章 5月9日 社内



「は、えっとさっきのは」

「その後カフェでお茶とか、そういうのもデートですよ」

「……そんなもん?」

「そんなもんです。 じゃ、これ読んでおきますね」

「はい」


どっちが先輩なんだか分かんないな。
怜治が椅子を反転させて自分のデスクに向かい、苦笑した。

だけどなるほど、買い物ね。
視線がそこにあるデスクを通り過ぎ、遠くを見詰める。
こないだ小夜子に話してた、調理器具とかは?
食器も要る……枕、タオル、いやこれはいい。

ベッドカバー、とか。
小夜子が選んでくれるならよく眠れそうだ。

出来ればそれに続いて彼女の趣味の、朝のマグカップなんかあれば最高なんじゃないか。


金子が怜治に話し掛けようとし、彼の腕を組み、その真剣な表情を見て口を閉ざした。

彼は優秀な男ではあるが、歳の割に融通が効かない。
それがいい所ではあるとはいえ、老成するには早過ぎる。
後輩の教育を通して、もっと柔軟な思考を身に付けてくれればいい。

そんな風に、怜治を温かく見守る事にした。





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