第15章 5月9日 社内
その日帰宅してから、怜治はジャケットを脱いで早速小夜子にメッセージを送った。
帰り道でなかったのは、焦って変なやり取りをしたくなかったからだ。
『お疲れ。 先日の話だけど、一人暮らしの買い物付き合って』
数分の間の後で、遅れて返信があった。
『何で私に?』
『野郎に頼むのも不安だし、湊さんセンスいいし』
『他に女性いないの?』
『いない』
また返事のテンポが遅れる。
『いいよ。 でも会社帰りはお店もうやってないから、週末は? あ、Loftとかあの辺なら夜でもいいか』
『色々見たいから週末で』
『分かった。 土曜は?』
『恩に着る』
『大げさ笑』