第12章 4月27日 会議室、社内
また随分と、過保護だな。
でも、まあ、女の一人暮らしなんか、それ位が普通なのかもしれない。
時間的に外食は難しいとみて、怜治はランチの食べ歩きを諦め、ビル内のコンビニで今日は済ませる事にした。
「高階、珍しいな。 セブンか」
「金子さん、先程はお疲れ様でした」
自分の斜め向かいの自席に座り弁当を食べていた金子に向かって、怜治が言葉を掛けた。
「そりゃこっちのセリフ。 てか、俺こそ悪かった。 一応後学の為にもお前ならもうそろそろいいかなって信頼して出したんだけど、それにしても無責任だって湊に怒られたよ」
「湊さんって怒るんですか?」
「後輩には滅多に無いけどな。 能面みたいな顔して淡々と正論吐くからな。 怖えぞ」
見てみたい様な気もする。
「途中フォロー入れてくれたのも、自分の仕事だから構わないって言ってたけど、お前も顔合わせたら礼言っとけよ」
「はい。 金子さん、それ愛妻弁当ってやつですね」
「フフフ。 良いだろ」
「そうですね。 そういえば、湊さんも彼氏とか居ないんですか?」
「ん、湊? なんでまた」
「金子さんと同期でしょ? 何となくですけど」
「奴はダメだぞ、高階」
「?」
「大きい声じゃ言えないが、彼氏いない歴イコール年齢らしい」