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先生の秘事

第5章 四限目


不死川はゆきのが帰ったあと自室のベッドで寝転んだ

「あーー、あいつ...」

頭をくしゃくしゃと掻き回す

窓から外を見てみるとタクシーを拾うゆきのが見えた

「あいつが何考えてるか、わかんねぇよ」

過ぎていくタクシーを目で追ってカーテンを閉めた




翌週の休み私はまた不死川先生と出かける約束をしていた

初夏で日々暖かさが増してきていたが、夜は少し冷える為ワンピースにカーディガンを羽織った

家の前でそわそわしていると不死川先生の車がやってくる

「待たせたなぁ」
「いえ、大丈夫ですよ」

私は助手席に座る

「今日はどこに行くんですか?」
「あーやっぱあの時計買おうと思ってな」

以前一緒に行った店の時計がやはり気になっていたようだ
給料が入ったからか購入するつもりのようだった

「あの時計かっこよかったですよね」
「あぁ、そうなんだよ」
「迷ってましたもんね」

道中他愛もない話をする
幸せな時間だと思った

途中でハンバーガーショップで昼ごはんを買って車で食べながら向かった

「この店近くにねぇんだよな」
「わざわざここまで来ないといけないんですね」

偉く気に入っているようで不死川先生は早足でその店に向かった

お気に入りの時計を購入することができて満足そうだ

「よかったですね」
「あぁ」

私が隣の洋服屋を見ていると「入るか?」と言ってくれたので甘えた

「この服どうしよう」
「いいんじゃねぇか?」
「でも、ちょっと身体のラインが...」

ピタッとした服は自身のない身体のラインがくっきりと浮き出てしまう

「細いだろ」
「そんなことないですよ」

私は自身の腹を摩った

「買ってやるよ」
「えぇ!いいですよ!自分で買います!」
「いいから甘えとけぇ」

洋服を手に不死川先生はレジまで行ってしまった

「そんなぁ」

とても悪い気持ちになった

「今日は付き合わせたからな」
「そんな私は誘ってもらって嬉しかったんですから」

手渡されたショップバックを手に私は微笑む

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