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先生の秘事

第5章 四限目


「今日もあのバーに行くか?」
「そうですねぇ」

お腹も満たされてそんなに気は進まなかったが少しだけならと行くことにした

店の扉を開ければそこには見慣れた顔があった

「よぉ!煉獄とゆきのちゃんか?」
「やはり宇髄も来ていたか!」

宇髄先生の奥には不死川先生も座っていた

「よぉ」

何故か不機嫌そうだ

「今日珍しく不死川に誘われてよぉ。こいつ不機嫌なのよ」
「そうか!不死川は不機嫌か!」
「うるせぇよ」

不死川先生はちびちびと酒を流し込む

私は軽めにカクテルを注文した

「今日はビールじゃねぇの?」
「今ご飯食べてきたばっかりで」

お腹をさすりながらアピールする

「なんだ煉獄と飯食ってたのかよ?あーだから不死川が不機嫌なわけね」
「ちげぇって!」

不死川先生は宇髄先生を怒っている
私は煉獄先生の影でゆっくりカクテルを楽しむ
顔は見えないけど本当に不機嫌そうだ

ここは早めに退散しようかな

「私もう帰りますね」
「え?一杯しか飲んでねぇじゃん」
「今日は疲れちゃったので」

鞄を肩に掛けて席を立つ
すると不死川先生も席をたった

「俺送ってくるわ」
「え!いいですよ、そんな!」
「いいからよぉ」

あわば強引に不死川先生は私を送ってくれた

「よかったんですか?」
「いいんだよ」

私は恐る恐る不死川先生の顔を覗く
先程までの不機嫌そうな顔ではないが笑ってもない

「煉獄と飯食ってきたのかよ」
「はぁ...強引にって感じでしたけど」
「嫌なら断れよ」
「断る理由がなくて」
「はぁ...」

何故かため息を吐かれた

「俺がなんでお前を気にかけるかわかるか?」
「いえ?」
「そーかよ...」

不死川先生はその後なにも話さなかった
私も訳がわからず話すことができないでいた

そうしているうちに家に着く

「じゃぁな」
「あ、不死川先生...」
「ん?」

優しい顔でこちらを見る
思わずドキッとする

「また、ご飯作りに行ってもいいですか?」
「...あぁ」
「!ありがとうございます」

私は嬉しくなって不死川先生が帰るのを見送った
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