第2章 一限目
「別にいいんじゃねーか?」
不死川先生はソファに座り私を見た
「よくないです」
「冨岡と食事に行ったんだろ」
「そうですけど」
それには理由がある!と言おうとしたけど不死川先生の顔がそれを言わせようとしてくれない
「よかったな」
先生は保健室を出て行ってしまった
どこか不機嫌だった
私は泣きたくなった
それから暫くはその噂が学校中を騒がせた
相変わらず不死川先生はカナエ先生と仲がいい
そんな2人を見ると胸が痛かった
噂以来冨岡先生は食事に誘ってこなかった
私は1人であのバーに行く
ここ最近元気が出ない
気持ちが沈む
ビールも美味しく感じない
「よぉ」
「あ、宇髄先生」
今日は1人のようで宇髄先生がバーにやってきたのだ
「1人か?」
「そうですけど」
「ならご一緒にいかがです?」
宇髄先生はにこやかに丁寧な口調でそう言った
「最近元気ねぇよなぁ?」
徐に宇髄先生は言った
「そう、ですねぇ」
「あの噂が原因か?」
「まぁそれもあります」
「そーいや不死川も最近むしゃくしゃしててよー」
なんで不死川先生がでてくるのだ
こっちがむしゃくしゃしたい気持ちだ
「冨岡のあたりが強ぇのよ」
「それは噂が原因ですか?」
「そうだと思うがな」
きっと私と話してからだ
そう思った
「なんにせよ一回不死川と話してみたらとうだぁ?」
「なんで不死川先生と」
「なにかお互い勘違いしてんじゃねぇの?」
宇髄先生は何か知ってる風に言う
「でも、避けられてる気がして」
最近保健室にも近寄らない不死川先生
職員室に行ってもカナエ先生と話してるか仕事をしてる
話しかける隙がない
「屋上に行ってみろよ」
「屋上?」
屋上は先生たちの喫煙所として使われている
そこに不死川先生がいると言うのだ
「わかりました」
私は明日屋上に行ってみようと思った