第3章 ラブ・エモーション【沖矢昴】*
「見ないで…くださ…」
昴さんは私の言葉も聞かずに、
間接照明の淡い光に照らされた私の身体のラインを
なぞるように見つめた。
ただそれだけなのに、胸の奥がどうしようもなく熱くなる。
はやく、触って…
心の声が漏れてしまいそうになるのを私は必死に抑え込んだ。
「恥じらうルナさんも可愛いですよ…」
そう言うと、また昴さんの大きな手が私の胸を包んだ。
指が少しだけ沈むほどの力でやわやわと揉む。
直接触られると、どんなに小さな刺激でも敏感に感じ取ってしまった。
「ぁ……っ、」
「ルナさん、見えますか?
こんなにいやらしく乳首を立てて…興奮しているんでしょう?」
突然、キュッと強い力で胸の突起をつままれると
腰が波打ち背中がのけぞる。
「あぁっ…!!」
「ふふ、良い反応だ…」
鋭い快感に頭が追い付かないでいると、
今度は柔らかく、ねっとりとした感覚が胸を襲った。
「んっ…んんぅ…!!」
昴さんの濡れた舌先が、執拗に胸の蕾を絡めとる。
理性などという単語はもうとっくに消し飛ばされていた。
あれほど我慢していた声も、気が付くと荒い吐息と共にこぼれる。
「あっ、や…!……ぁあ、っ、!!」
「素直になってきましたね…僕の可愛いルナ…」
快感が高ぶっていくにつれ、
私の身体の奥底から、どろどろとした欲望があふれてくるのが分かった。
無意識のうちに足をくねらせ、昴さんの背中にしがみつく。
ショーツが秘部に張り付いているのを感じて、
昴さんにこんなに淫らな女だと、知られたくない…そう思った。
「あぁ…そんな目で僕を見ないでください…
君に優しくできなくなる…」
私は一体どんな顔をしているというのだろうか。
昴さんの綺麗な顔立ちが少しだけ歪む。
眉間にしわを寄せて、何かに耐えているようだった。