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君想う

第4章 真っ赤な太陽


次会う日がこんなにも長く空いてしまうなんて思わなかった


ちひろは宇髄のバーにも現れなかった
実弥宅にも訪問してこない
こうなればと定食屋に行くと臨時休業と書かれた紙が貼られていた

「なんでだよ」

LINEをするが既読にならない
実弥は早く会いたいと願うばかりで夏休みも終わりを迎えようとしていた

夏休みが終われば学校は受験ムードにピリピリしだす
それは実弥も同じだ

「あーーーちひろが足りねぇ」

宇髄のバーで実弥は項垂れる

「まだ会えてないのかよ」
「既読にもなんねぇよ」

はぁぁっと息を吐き実弥はビールを流し込む
するとカランと音を立てて扉が開く
ぱっと扉の方に身体ごと向けるがそれはりかだった
すぐに元のように項垂れる

「ねぇ実弥、今日はあの子いないのぉ?」
「うるせぇ」
「一緒に飲みましょうよぉ」
「1人にしてくれぇ」
「もしかしてフラれたの?」

もっとも恐れていた言葉を口にしたりかに苛立ちが走る

「俺帰るわ」


店を出た実弥はタバコを咥え火をつける
ふーっと一息吐けば白く筋が上って行く

「はぁぁ」

「実弥?」

ガラガラと荷物を運ぶちひろの姿
幻かと思うほどで思わず咥えたタバコを落としそうになる


「ちひろ...」
「帰るとこ?」
「お前既読...」
「あー!ごめん!お盆休みも取ってなかったから家族で田舎のばあちゃん家に行ってたからスマホ使い物にならなかったんだよね!」
「なんっだよ...っ」
「どうしたの?」
「俺、避けられてんかと思って」
「そんな!私が実弥を避けるなんてことないよ!」

実弥はその言葉に顔をあげる

「実弥にね、聞いてほしいことあるんだ」

「一緒に来てくれる?」とちひろは微笑む
実弥は黙って頷く
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