第7章 季節は巡る
後日実弥はちひろの両親に挨拶に行った
2人の仲は昔から知ってる両親
心からお祝いしてくれた
玄弥も喜んでくれた
自分に甥か姪ができるんだと嬉しそうだった
「みんな喜んでくれたね」
「あぁ」
「実弥は嬉しい?」
「当たり前だろ」
悩んでいたのが馬鹿みたいに思えるほど幸せだった
実弥はすぐに職場に結婚の報告をした
女子生徒からは嘆きの悲鳴があげられたが実弥は耳を塞いで知らんふりをした
「結婚式、挙げたいだろ」
「そりゃ勿論だけど」
「挙げようぜ」
実弥からまさか結婚式の話まで出てくるとは思いもよらなかったのでちひろは目を丸くさせる
「ちひろの花嫁姿俺も見てぇわ」
幸せそうに笑う実弥
ちひろも幸せだった
桜の蕾が膨らみ一つまた一つと咲き始めた頃
実弥はちひろの家に来ていた
どこか落ち着かない実弥
「どうしたの?」と聞いてもなんでもないとそわそわしていた
いつものようにソファに並ぶ二人
お腹を優しく撫で実弥はポケットから小さな箱を出した
「遅くなっちまったが」
箱を受け取り開けると小さなダイヤの付いた指輪がそこにあった
「っ実弥、これ」
「俺とこれからもずっと一緒にいてくれるか?」
不器用な実弥のその言葉がちひろにはなによりも嬉しくて涙を溜めて頷いた
「もちろん」
二人は優しいキスをした
ーーーendーーー