第4章 真っ赤な太陽
「はーただいまぁ!」
数日ぶりの我が家にちひろは腕を伸ばす
「数日空けてたから飲み物水しかないや。それでいい?」
「あぁ」
ペットボトルの水をコップに注ぎ2人分のそれは机に乗せられた
ソファに座る実弥の隣にちょこんとちひろも腰をかける
「あのね実弥」
「ん、あぁ」
「田舎に行ってる間実弥に会えなくて寂しかったんだぁ」
ぽつりぽつりと話だす
「幼馴染で昔からずっと一緒にいて」
「...ん」
「私が何回も振られて泣いてた時でもいつも実弥は隣にいてくれた」
「あぁ」
「私の我儘も沢山聞いてくれて、私にすごく優しい実弥がね好きだなーーって前から思ってたんだけど、違うの」
「?」
「最近はその好きとは違う感情があってね」
「...」
「実弥といるとホワホワするの。あったかくて落ち着くの。実弥がりかさんと話してるの見ると嫌な気持ちになっちゃう。これは何かなーって思ったらヤキモチで...私の実弥が取られちゃうって思うと嫌な自分が出てきて」
「...」
「その時私実弥のことが男の人として、好きなんだってわかったの」
「ちひろ...」
「私も実弥が大好きだよ」
にこりと笑うちひろが愛おしくて
抱きしめてしまいたい
いいのだろうか
「それは、本当の自分の気持ちなのか」
「ん?」
「俺が好きだって言ったからそう思わせてるだけじゃなくて?」
「その前からこの気持ちはあったよ」
「そうか...」
ちひろの髪を優しく触る
頬に滑らせた手はちひろを優しく包み込んだ
「俺は子供ん時からずっとちひろが好きだ」
「今まで気付かなくてごめんね」
「謝るな。これからわかってくれればいいんだ」
実弥はそっと近づく
仄かに香るタバコの匂い
ちひろはそっと瞼を閉じる
そして2人はキスをする