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君想う

第1章 桜ひらひら


「私の運命の人はどこにいるのよ!?」
「案外近くにいるんじゃねぇの?なぁ、不死川?」
「振るなよ」

ニヤニヤしながら宇髄が言うと実弥はそっぽを向く
ちひろは周りを見渡すと「あ!」と声をあげる

「あそこのテーブル席の人かっこよくない!?」
「やめとけやめとけェ」
「なんでよぉ!」
「あの客は噂じゃギャンブル三昧らしいぜ?」
「えぇー」

実弥は「やめとけ」と言いながらちひろの頭を鷲掴みする
宇髄も客の情報をコソッと教えてやる


ちひろが来店してから1時間半経った頃

「ざぁねぇみぃ〜」
「あーうざいうざい」

悪絡みするようになっていた

「んぅ〜もぉのめにゃぁい」
「宇髄さん、こいつどんくらい飲んだんすか」
「お前が来る30分前から今ので7杯目かな」
「...ペース早すぎだろがぁ。こいつの分も一緒でこれで足りますか」

と、実弥はお金をカウンターに差し出す

「おーありがとな」

宇髄にペコっと挨拶をして実弥はちひろをおぶって店を出た

「ったく、てめぇが振られるたびに俺はおまえをおぶって帰らなならねぇのかよ」
「しゃねぇみぃぃ」
「なんだよ」
「ごめんにぇ〜」
「謝るぐらいなら加減して飲めやぁ」

昼間はぽかぽかとあったかくなったが夜は少し肌寒い
実弥の背中はちひろの体温で暖かかった


「おら鍵出せぇ」
「ん」

バックをゴソゴソと漁り自宅の鍵を差し出す

ガチャ

「ほらついたぞぉ」
「ん〜」

ちひろの部屋のベッドに下ろすとちひろは倒れ込んでしまう

「おぃ水飲んどけぇ」
「...んん」

実弥がコップに注いだ水をちひろに差し出すが起きようとしない

「ったく」

実弥は仕方なくベッドと座りちひろを抱き起こす

「ほら飲め」
「ん〜」

ゴクリと少しだけ水を流し込む
口の端から水が溢れてでてしまう
それが妙に色っぽく、実弥は目が離せなくなってしまったがふと我に帰る

「っ、おら!俺は帰るからな!戸締りしっかりしろよ!?」
「はぁい」

実弥は立ち上がり玄関で靴を履く
それを見送る為フラフラと立ち上がりバイバイと手を振るちひろ



出て行った実弥は玄関の外で頭をぐしゃぐしゃっと掻き帰路についた

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