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君想う

第4章 真っ赤な太陽


「あーあっつい」
「だからなんでおまえがここに居るんだよ」

定休日
ちひろは暇を持て余し実弥宅にいた
実弥も実弥とて夏休みで家で仕事をしていたのだ

「ねぇー珍しいねメガネ」
「あーどーにも最近見づらくてよぉ」
「ギャップ萌え?」
「はぁ?」

ふざけた事を言いつつも「あついー」と胸元をパタパタさせるちひろに心穏やかではいられない

「あ!そーだ!海いこーよ!海!」
「いきなりなんだよ」
「今年まだ行ってないじゃん!」
「急だなぁ」
「ダイエットも成功したし!」
「太ってたかぁ?」
「ひづかにゃいのぉ!?」

実弥に頬を摘まれたまま喋ってるのでうまく話すことができない

「海!俺も行くー!」
「おー玄弥!乗りいいじゃーん」

イェーイとハイタッチする2人に負けた実弥は「わかったよ」と重い腰を上げメガネを外した
ちひろは一回準備してくるねーと家に戻り再び待ち合わせする為駅へと向かう


「ごめんお待たせ!」
「おっせーよ」
「ごめんってぇ」
「ほら電車くるぞぉ」

玄弥は遅いと足をバタつかせ実弥はそれを落ち着かせる

「わぁー海だぁ!」

車窓から見える海を見てはしゃぐ玄弥とちひろ
「静かにしろよぉ」と恥ずかしそうに顔を隠す実弥だった

海の家の更衣室で着替え
先に出ていた実弥が浮き輪を膨らませる
その間に「おまたせぇ〜」と現れたちひろに吹いていた息が止まる

ダイエットしていたとは聞いていたがだいぶ締まりのある身体になっていたのだ
あの春のぷにっとしたお腹はどこへやら
黒のビキニを身に纏いじゃーんと現れたのだ

「おー見た目は女らしいなぁ」
「見た目はってなによ」

ちゃかす玄弥に頬を膨らませるちひろ
実弥は羽織っていた白のパーカーを黙って脱ぎちひろの頭から被せる

「なにすんの」
「日焼けすんだろ!着てろ」
「日焼け止め塗ってきたよー」
「いーから着てろォ」

目のやり場に困っていると他の男がチラチラとちひろを見ているのに気付いて実弥は自身のパーカーを着させた

「じゃぁこのまま海入ってもいーい?」
「あぁ」

やったーとそのまま海に突っ走るちひろ
それに続く玄弥
海の家からとぼとぼと歩いて追いかける実弥だった
実弥もまた引き締まった身体が露わになり女性客の目線があちらこちらから刺さる


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