第9章 ストック
優実姫視点
私は炊事場で、侍女の手伝いをしていると横にいた侍女が言う。
侍女「もうすぐ優実姫の誕生日ですね」
私も忘れていた、誕生日かぁでもそれも今年は憂鬱な気分になる出来れば、好きな人に祝ってもらいたい。
夕餉の支度が出来て、大広間に行き皆で夕餉を食べて自室に戻る。
懐にある手ぬぐいに包まれた物を、見ながら布団に入るこれを身に付ける日は、もう徳川の家と祝言を挙げる日だろうか?
次の日
私は侍女に呼び出されて、大広間に向かうと出来上がった白無垢があった。
侍女「試着してください」
着るとキツくない、私の心は泣きたい気分だった好きな人との祝言じゃないから。
けれどそれは受け止めれなければいけないから。
侍女「お似合いです、明日の祝言楽しみですわ」
明日? 明日なんだ祝言は、私はもう北条家じゃなくて徳川にかわる。
そして明日は私の誕生日でもあった、白無垢を脱いで着物に着替える。
自室に行き懐の手ぬぐいに包まれた、物を解くもう祝言は明日だから別に今日解いても問題はないだろう。
中身はかんざしでストックという、お花ちりめんで作られていて綺麗なお花。
かんざしを髪に付けて私はその日は過ごした、夕餉も終わって庭の縁側で座って扇子を眺める。
自分がいつの間にか独り言を言っていた。
優実「明日祝言です、そして私の誕生日でもあるのですよ政宗様は何ておしゃいますか?」
???「祝言に関しては俺とするんだから幸せにするぜ、誕生日はおめでとうだな」
うん? 妄想の声でも聞こえた? あまりにも考えすぎたかな?
優実「私は貴方のこと好きです、愛してる」
後ろから誰かに抱きしめられる感覚に、驚く右肩を見ると茶色い髪の毛があり見覚えがあった。
政宗「どんだけ鈍感なんだよ、俺はな優実姫お前のことが好きなんだ」
言葉を失い心臓だけがうるさく鳴り響く。
政宗「今日小十郎に言われた、明日優実姫の誕生日だから祝言を挙げましょうと最初は驚いた」
私に抱きついた腕を離して、横に座り話の続きをした。