第2章 第1章 主人公side
ユウ「せ、先輩っ!?」
グリム「ふなぁっ?!」
『けほっ……こほっ…』
なんだろう、喉がジンジンする…あれ?服がブカブカ
クル「ステイ!落ち着け、仔犬記憶はあるか?」
全身が白黒の男の人がそう問いかけてくる
『ぇっと……ここ、どこ?』
クル「む……名前は言えるか?」
『ロペス・ノア……』
クル「…年齢、いや何歳か分かるか?」
『ぇっと…5さい…』
クル「ふむ……自身については覚えているみたいだな、そこのバットボーイ共は後で俺のとこに来い。詳しいことを知りたい……さて」
顎に手を当てて、男の人が見てくる。けど、凄く顔が怖い…っ
『ぅぇっ……ふぇぇぇっ』
ポロポロと涙を溢しながら泣き始めると、誰かに抱き抱えられた
カリム「大丈夫かぁ?オレはカリム!よろしくな!」
そのまま抱っこの形にされ、カリムの顔が間近で見れる
『か、いむ…?』
カリム「あっはは、惜しいなぁ!カリムだ」
『カ…リム!言えた…?』
カリム「おう!完璧だ!」
そう言われて頭をわしゃわしゃと撫でられる
クル「アジーム、いつ戻すための魔法薬が出来るか分からない。それまでロペスを頼めるか?」
カリム「おう、任せろ!たくさん遊ぼうなぁ!」
『うんっ!』
カリムとお喋りをしていると綺麗な鐘の音が鳴った
『カリム…この音なぁに?』
カリム「んー?次の授業の合図だ、次は確か…選択授業だな」
『せんたくじゅぎょー?カリムと僕、バラバラなる?』
瞳がうるみ、ポロポロと涙が溢れる。その涙を指で拭いながらカリムは
カリム「いや、一緒だぞ!飛行術の授業だな、箒で空を飛ぶんだ」
『空…!?たのしみっ!』
カリムの腕からぴょんと降りて、手を繋いで廊下を歩く
『カリムは空飛ぶの好き?』
カリム「おう!けど、箒より絨毯が好きだな!」
『じゅーたんで…空飛ぶの?』
カリム「そうだ!後で一緒に乗ろうぜ!」
『うんっ!じゅーたん、たのしみっ!』
カリムの方を見ながら歩いていると誰かにぶつかった
『ぁ、ごめ…なさ…』