第2章 第1章 主人公side
『分かった!じゃみう困らせない!』
右手を胸に当てて、えへんというポーズをとる
ジャミル「そうしてくれると助かるよ、ノアは放課後どうするんだ?」
カリム「オレと軽音部で遊んで」
『じぇーどのとこ行くの!』
カリムとニコニコ笑いながらそう言うと、ジャミルは如何にも不機嫌そうに眉間にシワを寄せた
ジャミル「ジェイドだと…?モストロ・ラウンジに行くのか?……駄目だ、あんなところに行かせられない」
『やだ、じぇーどと遊ぶ約束したんだもん!絶対行く!』
ジャミル「駄目だ、オクタヴィネルはヤバイ奴らしかいない」
『じぇーどは違うもん……僕と仲良くしてくれるもん』
むすっとした、不機嫌顔で互いの顔を見る
『いいもん、カリムぶかつ行こ!』
ジャミルの腕から降りて、カリムのカーディガンの裾をギュッと引っ張る
カリム「おう!ジャミルもそんな心配すんなよな」
ジャミル「心配とかの問題じゃないんだよ!どうするんだ!あいつらにつけこまれて変な契約してきたら!」
『けーやく…?あいつら…?』
カリム「なんとかなるって!要はその場で契約を結ばなきゃいいんだろ?」
ジャミル「……そうだな」
カリム「だったら、ノアにその場で断る方法を教えりゃいいんだ」
ジャミルは諦めたように溜め息をついて、僕の前にしゃがみこむ
ジャミル「いいか、もし契約書にサインしろと言われたらこう答えるんだ。[一度持ち帰って検討します]ほら、言ってみろ」
『んと、いちど、もちかえってけんとーします!』
ジャミル「ふん、及第点ってとこだな。特にアズールっていうメガネ野郎には気を付けろよ」
『その、あずーりゅって人がけーやくしてくるの?』
ジャミル「そうだ、忘れるんじゃないぞ」
『はぁーい!』
カリム「じゃ、部活いこーぜ!ジャミルも後でなー!」
『ばいばい、じゃみう!』
カリムは僕を抱えあげ、廊下を走り出す。僕はジャミルが見えなくなるまで手を振り続けた
ジャミル「……心配でしかない」