第5章 快感の籠
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【日向side】
「んっ…ッはあ、…ん」
両手で耳を塞がれ、頭の中にキスの音が響く
押し倒され、すぐにするのかと思っていたのに
先生はキスが好きみたい。
私の身体に覆いかぶさり、動けないように押さえられている。
それなのに、体重がかからないように気をつかってる。
(…すごく気持ちがいい)
柔らかくってとろとろした舌が私の舌に絡む
ゆっくりねっとりとかき回されるようなキスは、脳を直接触られているような感覚になる。
相澤先生…好きになった人にはこんなキスするんだ。
そう考えるとどうしようもなく興奮してしまった。
ああ、私これから相澤先生とエッチするんだ。
そう自覚すると一瞬で体中に鳥肌が立つのが分かる。
「せんせっ…」
私が呼ぶと先生は一瞬キスするのをやめて私の顔を見る。
だけど、用がないのが分かるとまたキスに戻ってしまった。
相澤先生は優しい…
普段皆に厳しくても本当は優しくて
皆に怒る低い声も、生徒と線引きしているところも
誰にでも平等に接する態度も
先生の全部が大人としての責任を持っていて
「ん…んっ」
唾液が絡み合って、音が部屋に響く
先生の手で耳を塞がれると熱が籠って頭がおかしくなりそうだった。
しかし、私が夢中になっていると相澤先生はキスするのをやめた。
そして、熱を持った目で私に聞く。
「…いいか?」
そう聞かれた瞬間に背中がゾクゾクするような感覚になった。
ずっとその顔が見たかった。
相澤先生ほどの大人が性欲に負ける顔が見たかった。
「はい…」
私が頷くと先生は自分のチャックを下げ始める。
何となくそれを見つめてしまった。
しかし、すぐに先生の手で目を塞がれる。
「…なんでですか?」
「見せるもんでもないだろ」
先生がそう言うと今度は私のスカートのチャックを下げる。
下着越しにゆっくりと触られて、
興奮しているから…それだけでも感じてしまいそう。
「…もう、充分濡れてる」
「え?」
先生の言葉に驚いて思わず顔を見る。
意地悪な顔をしていた。