第6章 薬屋と少女
「取り敢えずここから出て話そう」
部屋の異様な雰囲気に耐えられなくなり、少女の手を取る。
しかし、突然足に力が入らなくなり転倒してしまった。
ドクドクと動悸がする。
すると、少女は俺に馬乗りになり言った。
「仕方ないなあ…私床でするの苦手なんだよね、硬くって」
そう言いながら自身のシャツのボタンを外していく、
俺の身体は言う事を聞かない。
そして気づいた。
「やめろ…」
きっとこれはこの子の個性だ。
俺と同じ…対象物を見ることで効く個性。
なら俺の個性で消せる、
そう思い彼女に個性を使うと身体の自由が戻る。
しかし、すぐに元に戻される。
「お兄さん、いい個性だけどいつまで続けるの?まるでいたちごっこだよ」
少女はそう言って俺にキスをする。
くそッ
身体が…言う事を聞かない。
「抵抗するけど、こっちは反応してるよ」
少女はそう言ってチャックに触れる。
頼むから、
頼むからやめてくれ
思わず少女の顔を見つめてしまう。
何色とも言えない不思議な瞳の色をしている。
「なに…考えてるの?」
少女はそう言って俺の目を塞いだ。