第1章 監督生
「やっ……た?」
「か、勝った……オレ様たちが勝ったんだゾ!」
「よっしゃあ!」
「やったあ!」
「勝利のハイタッチなんだゾ~!」
「「「「イエーッ!」」」」
パチッと4人でハイタッチする。
「みんなすっかり仲良しだね」
ユウがそう言うとみんな慌てて否定したが、ユウの作戦のお陰だと素直に言うのだった。
「マジ、クッタクタのボッロボロ。早く帰ろうぜ」
「いっぱい魔法を使ったから腹が減ったんだゾ……」
そんな話をしながら帰ろうとしたときだった。
「………ン?コレ、なんだ?」
と、グリムが何かを発見した。
そう言ってひろいあげたのは、真っ黒な塊。
「さっきのバケモノの残骸か?」
「魔法石……?いや、でもこんな石炭のように真っ黒なのは見た事がない」
この中では詳しいはずのエースとデュースも何か分からないようだ。
その黒い塊をクンクン……と臭いを嗅ぎはじめるグリム。
「なんだかコレ、すげーいい匂いがするんだゾ……」
「うそだあ!?」
「アイツが隠し持ってた飴ちゃんかもしれねーんだゾ!うう~っ、我慢できない!いただきまーす!」
「コラ!ペッしなさい!!ペッ!」
パクっと一口で食べてしまうグリムにユウが慌てて止めるが、グリムは吐き出さなかった。
「う"っ!!!!!」
「おい、大丈夫か!?」
「あーあ。そんなもん拾い食いするから~」
一瞬苦しそうにしたグリムに、デュースは心配し、エースは呆れる。
「う………うううう…っっっ。うんまぁ~~~い!」
「「「え"っ!?」」」
その反応に3人には驚いたがグリムは如何に美味しいか。
黒い塊の味の感想を述べた。
「モンスターって雑食なんだぁ………」
呆れ混じりの感心の言葉を投げ掛けるユウ。
一気に今までの疲れが出た気がした。
こうして3人と1匹は魔法石を持って学園に戻ったのだった。