第3章 誰も知らない夢。
不思議な夢を見た。
夢か現実か区別がつかないような、
一度経験したことがあるような、
それでいて記憶の欠片もない不思議な夢。
私の回りには何故か炎が上がっていた。
それは私を囲んでいて、自分が跡形もなく焼け消えてしまうのにそう時間はかからないだろう。
普通の自分なら、この炎から逃れようと必死になっていたはずだ。でも私は動かない。
何故ならこの炎は自分が発したものだと分かったから。どうしてこんなことが自分にできたかなんて分からない。ただ直感かなにかが、この火災は自分のせいなのだ、と私に伝える。
どうせ今さら逃げようとしたてって死ぬのだ。
なら苦しまずに此処でこのまま………
夢の中で私はさらに意識を手放した。