第6章 映画鑑賞はお静かに
何度も何度も舌や指だけで絶頂へと導かれて。
身体が怠い。
瞼が重い。
指先ひとつ、ピクリとも動かない。
なのに。
「…………きょー、じゅ」
身体が、熱い。
喉が灼ける。
お腹の奥が、疼く。
「………どうしました?時雨?」
にこりと笑う、教授の目がその面積を、狭めて。
鋭くあたしを射抜く。
「も………っ、きょーじゅのやなこと、っない、からぁ………っ!!あま、ねっ、と、あわ、な…っ、から」
指先が、なかを押し広げてく。
出し入れするたび腿を伝う蜜にさえ、反応する。
「いじわ、る………っ、や、だぁ!!」
力いっぱい身体に力を入れて。
教授へと両手を伸ばした。
「時雨」
指先が、抜かれて。
喪失感になかがきゅうきゅう鳴く。
だけどかわりに触れた、熱く硬いもの。
「意地悪、って?」
先っぽだけが、埋め込まれたまま。
教授の動きが止まって。
悦びに震えた身体が、もどかしさに震え出す。
「意地悪した覚えないよ?俺は時雨がかわいいから、いっぱい啼かせたいだけ。違う?意地悪?」
「あ………」
先っぽすらも、抜かれて。
喪失感。
これが意地悪じゃなきゃなんなんだ。
「言って時雨。どうして欲しい?どうしたい?」
余裕たっぷりに。
全部見透かしたように細めた瞳が問う。
絶対わかってる。
全部わかってる。
のに。
だいたい。
『泣かせたい』とか。
いじめっ子のセリフじゃなければなんなんだ。
「時雨?ほら。それともまだ足りませんか?」
「っ」
く、と。
教授の指先が割れ目を広げる。
「…………なか………っ!!」
指先がまた、沈む前に。
目をぎゅと閉じた。
「なか…………っ、欲しい………」
「…………」
「…………」
沈黙。
やだ。
間違えた?
なんか、言ってよ教授。
この間、怖すぎる。
「…………まぁ、及第点かな」
「…………きゅう………?」