第6章 映画鑑賞はお静かに
「ふ………っ、んん、ぅう、ん!!」
腕の中。
口に両手を当てて、必死になって我慢する時雨のくぐもった声。
ほんとに時雨はバカでかわいい。
こんなこと。
余計に俺の嗜虐心、煽るだけなのに。
「時雨。声出てますよ?映画聞こえません」
くちゅくちゅと下着の中、直接秘部を両手で擦り上げること数秒。
簡単に時雨は根を上げた。
ピクピクと体を跳ねさせ、かわいらしく鳴く。
「や、ぁ、きょ、じゅゆびぃ………っ」
抵抗のつもりか、時々指先が腕を引っ掻くように動き、だけどそれもいつしかしがみつくよう動きを変える。
「ひ、っぁあ!!」
ビクン!て。
大袈裟に跳ねる体。
そろそろ限界を訴える時雨へと、さほど見てもいない映画を真剣に見ながら。
先ほどの言葉を投げかけた。
時雨は。
こちらの意図を汲み取るのがとても上手い。
もっと言えば。
容易く、こちらの思い通りに動く。
案の定。
果てそうだった時雨の体は、先程の少しだけ苛立ちを含めた声色で放った言葉ひとつに怯え、絶頂を迎える直前でストップした。
それから。
震える両手で自分の口を覆ったのだ。
「んんんっ!!んぅ………っ」
くちゅくちゅと割れ目を執拗に丁寧に擦り上げ、ぷっくりと顔を出した突起を指先で押し潰し、爪先で引っ掻く。
下から掬うように突起の裏側を擦れば。
ビクン、て。
また時雨の体に熱が溜まる。
「時雨。暴れすぎです」
テレビの画面へと視線そのまま、時雨へと低く声をかければ。
時雨の泣きそうな、いえたぶんもうすでに涙でぐちゃぐちゃになってるだろう顔が見上げるようにこちらを見た。
「どうかしました?」
ピ、と映画を一時停止して時雨へと視線を向ける。
すると口から手を離して、時雨のかわいらしい抗議の声。
「きょーじゅ映画なんか、絶対見てないじゃんっっ」
「見てますよ」
「嘘だ」
「見てます」
画面越しに。
時雨の乱れる姿をね。