第4章 暗殺者は三度(みたび)哭く
「待って時雨、何、して…」
時雨にどん、て肩を押されて。
突然の事態に体は防御も出来ず、ベッドへと倒れ込む。
慌てて肘をついて上体を起こせば。
時雨がズボンにベルトに手を掛けている、ところで。
カチャカチャと拙い動作でベルトを外す時雨の小さな手を、取った。
「あたしもするの!」
「…だから、何をです?」
「教授が今思ってることだよ」
「…………」
言ったら効かない、頑固な瞳。
目を伏せて、ため息が自然と出てきた。
「…やり方、知らないでしょう?」
期待するだけ無駄なのは、わかってる。
時雨にしてもらえるなんてそんな夢みたいなこと。
どーせいざとなったらやり方もわからず実物みて固まるだけだ。
わかってる。
時雨が、意地だけで言ってることも。
「知ってる!!」
「…では、どうぞ」
だから。
手を離した。
どーせ出来ない。
やり方なんて、知るはずがない、って。
教えたことすらないんだ。
知るはずないって。
だけど。
「…………っ」
時雨はカチャカチャとベルトを外し、下着からモノを取り出すと。
一瞬躊躇した、のち。
先端へと、拙いながらも舌を這わせて舐め始めた。
根元から先端まで唾液を纏った舌が往復し、柔らかな掌も使いながら。
辿々しく、だけど丁寧に舌を這わせて。
ぱくん、て。
先端が口の中へと含まれた。
「…ば、か時雨…っ、お前なんで…っ」
「ひもしぃ?」
「ば…っ!!しゃべんな…ッ」
ゆっくりゆっくりと、徐々に口の中へと吸い込まれていく自分自身。
抗えない快感。
時雨の口の中、熱くて。
柔らかくて。
やばい、これ。
気持ちいい…っ