第4章 暗殺者は三度(みたび)哭く
涙の跡を追うように唇を移動して、時雨の言葉を待った。
「全然、触って、くれな…、し」
「うん」
「全然、構ってくれない、し」
「なんでそれが嫌なんです?時雨いつも嫌がってたでしょう?」
「…………っ、わかってる、くせに教授のバカぁ」
「言って、時雨。ちゃんと時雨の口から言って」
口をパクパクさせてく真っ赤になって。
かわいいなぁ、もう。
このまま一気に突っ込んで啼かせたい。
ドロドロに溶かして。
甘やかしたい。
だから。
早く言って?
時雨。
「…っき、だから」
「聞こえない、ちゃんと俺の目見て言って」
「…………っ、好き。教授、が、好き……、なの…っ」
「…………」
ああやばい。
想像以上の破壊力。
何、これ。
なんでこんなかわいいのに。
こんなに官能的なの。
色香が、漏れ出してて。
匂いに。
甘い匂いに、脳がやられる。
下半身が、ズクンと一気に熱を持つ。
「時雨…………っ」
気付けば。
獣みたいに夢中で唇に喰らい付いて、本能のまま時雨の肌を貪った。
吸い付いて。
舌を這わせて。
甘く高く啼く時雨の声に煽られるままに、時雨を絶頂へと導いて。
綺麗な曲線にしなる身体を腕の中へと閉じ込めた。
「きょー、じゅ…っ、も、いい、からぁ」
「だめ。まだまだ慣らさないと、今日は時雨を傷付けてしまいそう」
1週間分の我慢のせいか。
時雨の色気のせいか。
痛みが尋常じゃない。
心臓が下半身へ移動したかと錯覚するくらい、脈打ってる。
熱がこもる。
「きょー、じゅ…っ」
ビクビクと震える時雨の両足を開いて。
その中心へと舌を伸ばした。